「もしもし、そこの加蓮さん。」を読んで

初めに

 先日のコミケC96で偶然であった小説が素晴らしかったので,感想というか読んで思ったことを書きなぐっていこうと思います.びっくりするくらい内容が纏まってないです.一体どうやったらこんな乱雑な文章になるんだろうか.読みにくいと思います.ごめんなさい.
 まずは本の紹介を軽く.

 北条加蓮がどんな幼少期を過ごし,プロデューサーと出会い,仲間と出会い,成長するのかを詰め込んだ1冊でした.

結論

 最高だったので全人類に読んでもらいたい.

最高ポイント

 基本的に最高なポイントしか無いのですが,特に気に入った場面やフレーズ,良いと思った解釈を無理やり挙げました.

  • 映画館で奏から逃げる加蓮
  • 主人公,ではない北条加蓮
  • 遠足に行くTriad Primus
  • 主人公としての北条加蓮

映画館で奏から逃げる加蓮

 ふと立ち寄った映画館で速水奏と偶然に出会う場面.
 まだアイドル北条加蓮は存在せず,ただの高校生である彼女は速水奏と目が合い,その場から逃げ出してしまいました. アイドル北条加蓮としてはあまり相応しい行動とは思えませんが,今はまだスカウトすらされてないただの高校生. もしもアイドルに密かに憧れる彼女が突然生身のアイドルに会ったら,そもそもアイドルになった前後で彼女の内面はどう変化したのかを考えさせられるシーンでした.

主人公,ではない北条加蓮

 アイドルになる前の北条加蓮は全ての傍観者であったのではないでしょうか.
 アイドルはもちろんテレビの中のおとぎ話,人生を諦めていたとまで言っているので自分すら傍観していたのではないでしょうか.彼女自身が人生の主人公だと教えてくれるのが誰なのか.考えてみるのも面白そうです.

遠足に行くTriad Primus

 まず,母親にお弁当作ってと頼むシーンで既に僕は死にかけてました.可愛い.
 それとは別に非常に気に入ったフレーズがありまして,東京タワーのガラス張りの小窓に乗るシーン.

加蓮たちシンデレラにとって、ガラスはいつだって味方です。

という描写があります.ここ読んだときは「天才か!!?!?!!?!??!?!!?」って叫んでました.ホントはもっと色々思ったことがあるんですけど6時間くらい悩んだ挙げ句言語化できませんでした……悲しい.
 また加蓮のライバルとしてのTriad Primusではなく,彼女を支えてくれる神谷奈緒渋谷凛という友人との関係もとても良く描写されていると感じました.素敵.

主人公としての北条加蓮

 北条加蓮がアイドルとなるために必要なことってやっぱ過去の自分と決着をつけることだと思うんですよね.本書では「神様と折り合いをつけること」がそれでした.薄荷 -ハッカ-の歌詞にも神様は出てきますが,加蓮自信が神様をどう思っているのかは公式では語られていないと思います(たぶん……).僕が思う北条加蓮とは少し違う解釈を十分に楽しませていただきました.

読み終えて

 一番に思ったのは,自分もこんな小説を書いてみたいということです.他人をこう思わせてしまう創作物ってとてもめずらしいと思います.少しずつ,ワンシーンとかでも書いてどこかに上げていきたいですね.
 自分の担当についての話を他人から聞くのって色々な発見があるなと感じます.一度こうだろうと解釈してしまうとどうしてもその解釈に偏ってしまうことがあると思います.そんな中,他人の思う北条加蓮の話ってかなり新鮮に思えたり,考えもしなかった考察をしていたりということがあるんですよね.今回だと「北条加蓮は不可知論者なのか?」というのが物語の芯としてありました.これは今まで全く考えたことのない問いで,自分の中で答えは出せずにいます.実に考察のしがいがあるテーマだと思います.しばらくは過去のイベントとか漁って考えてみようかな.

最後に

 長崎 栞さん,素敵な本をありがとうございます.
 また,今回初参加となったコミケに行くきっかけを作ってくれた友人に感謝を.